中国人民元、4カ月ぶりの最安値を内需市場の低迷が長引く影響?
今年に入って、中国人民元の価値が低下しています。これは、中国政府が景気を立て直すために資金を供給するという見通しが強まっているためです。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、25日に人民元は中国国内市場で、年初に比べて1ドル当たり0.0983元下落し、7.2115元で取引を終えました(為替レートは上昇)。22日には心理的抵抗線である7.2元を突破し、1ドル当たり7.2290元まで下落しました。
これにより、「1ドル=7.2元台」に下落し、昨年11月17日以来の4カ月ぶりの低水準となりました。人民元安は、内需市場の低迷が主な影響因子です。
中国政府が景気低迷を打開し、5%前後の成長目標を達成するために通貨緩和政策を継続するとの予想が背景にあります。
中国国家統計局によると、小売販売を示す消費指標は、1~2月基準で前年同期比5.5%増加しました。
しかし、昨年12月の7.4%上昇率(前年比)に比べて鈍化しています。特に、1~2月の不動産投資は前年同期比9%減少しました。
外国人投資家が中国から離れる傾向が顕著です。昨年、外国人による中国向け直接投資額は300億ドル(約4兆5千億円)で、1年前の額の82%減少しました。
さらに、今年1~2月における外国人の中国向け直接投資は、前年同期比で14.1%減少したと報告されています。
この状況を受けて、人民元はキャリートレード通貨としての魅力が高まっています。キャリートレードとは、低金利国から資金を借り、高収益率の国に投資して利益を得る取引手法です。
ブルームバーグ通信は24日、人民元の価値が下落し、世界の新興市場でのキャリートレード通貨としての地位が向上していると報じています。
人民元の価値が低下のこのような背景で中国からの商品購入に非常に適しており、中国の輸入や無在庫販売などの業界の発展を促進することができます。中国から大量に商品を購入するのはお得ですね。